JAFのユーザーテストから学ぶABテスト前に行いたい仮説作り

昨今ABテストなどが普及するに伴い、実施前の仮説立てが重要視されています。
なぜならば、ABテストの過程は入力と出力だけに着目するブラックボックステストのようなもので、効果があったとしても箱の中で何が行われたか検証しないと次に繋げられないからです。
このような仮説作りの一つの手段としてがユーザーテストがあります。

ユーザーテストとは

ユーザーテストと言えば、製品やWEBサイトのユーザビリティを実際にユーザに使ってもらうことで、作り手の思い込みを排除してユーザビリティの改善を行う目的で実施されます。
使い方やデザインなどを変更し、ユーザビリティに変化があった場合に、実施して確認を行うのが良いとされています。

WEBサイトでユーザーテストを行う理由

Google Analyticsを代表とするアクセス解析やヒートマップなどのツールでは、主にページを点で解析・検証するもので、遷移フローや行動の裏に隠されたユーザーの気持ちを読み取ることができません。
ユーザーテストを行うことで、コンバージョンでつまづいた場面を把握することができ、ボトルネックを解消できます。

「JAFのながらスマホ」ユーザーテスト

JAFのユーザーテストから学ぶABテスト前に行いたい仮説作り
ユーザーテストはWEBだけのものでは、もちろんありません。
今回は一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF) が行ったユーザーテスト”歩行中・自転車乗車中の「ながらスマホ」”を取り上げてみます。
JAF|交通安全とエコ|JAFユーザーテスト|歩行中・自転車乗車中の「ながらスマホ」

2014年12月に渋谷で実施された歩行中の「ながらスマホ」。
昨今問題となっている、歩行中のスマホ操作による事故やトラブルが増加していることに起因して行われました。
テスト内容は、20代~30代の男女4名に視線計測(アイトラッキング)装置を着けて、スクランブル交差点の横断時の様子を見るというものです。

テスト結果

ユーザーテストの結果、スマホを持ちながらだと視線が下がり他の歩行者とぶつかりやすくなることが明らかになり、また歩行時間は長くなることがわかりました。
このような結果はある程度想像の範囲に収まっていると思いますが、実際のアイトラッキングや動画を見ることで、問題の本質まで明確に浮かび上げることが可能です。

下記は「モニターB(30代男性)」のスマホありなしの歩行状況です。
視線が画面に集中し、前を見ていないことが一目瞭然です。
JAFのユーザーテストから学ぶABテスト前に行いたい仮説作り
出典:JAF|交通安全とエコ|JAFユーザーテスト|歩行中・自転車乗車中の「ながらスマホ」

また、この様子は動画でまとめられているので、ぜひご覧ください。
http://ch.jafevent.jp/detail.php?id=285

WEBサイトのユーザーテストフロー

WEBサイトでの実施する際のフローで、JAFのユーザーテストから参考にしたいことは下記です。

  • 生じている問題を特定する
  • 仮説をたてる
  • コアユーザーを被験者とする
  • 客観的なログ(動画やアイトラッキング)を取る

以前取り上げたSUICAのこだわりの角度!SUICA開発・導入フェーズに見るデザインの重要性のように、実社会で行われるユーザーテストにおいては、その影響やコストの関係から、慎重かつ綿密にに行われます。
WEBでは簡易的にできるため、特に前半の「問題特定」や「仮説」がおざなりになってしまうものも多くなります。
JAFの事例を抜けもれなくユーザーテストする際の参考としたいですね。

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